Forxiga 10mg

Forxiga（フォシーガ） 10mg 30錠Forxiga 10mg 30tabs

Forxiga｜概要

Forxiga（一般名：ダパグリフロジン）は、尿から余分な糖と塩分を取り除くことで働く「SGLT2阻害薬」です。腎臓の近位尿細管でSGLT2という糖とナトリウムを回収するたんぱく質の働きを抑えるため、血液中の過剰な糖分が尿へ排出され、血糖値が自然に下がります 。

Forxigaが有効な疾病

下記のの疾患に対してForxiga単剤としてだけでなく、他の糖尿病治療薬、心不全治療薬、腎疾患治療薬との併用も考慮されることがあります。

1型および2型糖尿病

Forxigaの有効成分であるダパグリフロジンは、血糖値管理のために使われ、特にインスリン非依存の2型糖尿病患者での血糖コントロールに有効です。運動や食事療法と併用されることが多いです。

慢性心不全

Forxigaは、HFrEF（駆出率低下型心不全）と呼ばれるタイプの心不全に対しても有効とされています。心不全患者の症状悪化や入院リスクを減らし、生活の質を向上させることが確認されています。

慢性腎臓病（CKD）

このSGLT2阻害薬Forxigaは、慢性腎臓病（特に進行性の腎機能低下）の治療にも有効で、腎機能の悪化や末期腎不全への進行を遅らせる効果があります。これにより、腎疾患の治療においても重要な選択肢となっています。

Forxigaの服用に注意が必要なケース、服用できない人

アレルギー歴

過去にダパグリフロジンに対して重篤なアレルギー反応（アナフィラキシーやじんましんなど）がある方は禁忌です。

重度の腎機能低下 (eGFR <30 mL/min/1.73 m²)

このレベルではForxigaは使用禁止。透析中の患者さんも同様です

中等度の腎機能低下 (eGFR 30–60 mL/min/1.73 m²)

血糖降下効果が低下し、体液不足・急性腎障害のリスクがあります。

低血圧がある方

体液減少を助長し、血圧がさらに低下する恐れがあります。

尿路や性器感染の既往歴がある方

使用中は感染リスクが増すため、医師との相談が必要です。

術前あるいは術後の時期

ケトアシドーシス（DKA）リスクが高いため、手術前後は一時的に中止することが推奨されます （手術3日前から中止）

1型糖尿病やケトアシドーシスの既往がある方

Forxigaはこれらには適応外。使用中もDKAリスク（糖尿病性ケトアシドーシス）があります。

妊娠・授乳中の方

推奨されておらず、利用は慎重に。医師にご相談ください。

Forxigaと併用注意の医薬品

利尿薬（ループやチアジド系など）

利尿作用が強まると脱水・低血圧のリスクがあります。

インスリン／スルホニルウレア系薬／グリニド系薬

これらと併用すると低血糖のリスクが高まります。

NSAIDs（イブプロフェン、アスピリンなど）

腎機能悪化・低血圧のリスクを増加させる可能性があるため、注意が必要です。

リチウム

血中リチウム濃度が変動する報告があり、慎重投与が求められます。

Forxiga｜服用方法

服用量

通常、Forxigaの開始量は1日1回、5mg（本剤 Forxigaを半錠）です。症状や効果を見ながら、場合によっては10mg（本剤 Forxigaを1錠）に増量されることがあります。
増量の判断は医師によって行われますので、自己判断で増量しないようにしましょう。

服用時間

Forxigaは、1日1回の服用で、特定の時間にこだわる必要はありませんが、毎日同じ時間帯に服用することで飲み忘れを防げます。食事に関係なく、朝に服用することが一般的です。

Forxiga｜副作用

Forxigaの主成分であるダパグリフロジンは、血糖値を下げる効果がある一方で、いくつかの副作用が生じる可能性もあります。
主な副作用は、尿路・性器感染症、脱水症状、腎機能の低下、低血糖（併用薬の場合）、ケトアシドーシスなどです。副作用を防ぐためには、こまめな水分補給、定期的な検査、異常があった場合に早めに医師に相談することが大切です。感染症の症状が出た場合には、すぐに医師に相談し、治療を受けることが重要です。主な副作用は以下の通りです。

主なForxigaの副作用①｜尿路感染症・性器感染症

Forxigaは尿中に糖を排出させるため、尿路や性器に糖が多く含まれる状態になります。このため、以下のような感染症リスクが高まります。

尿路感染症

膀胱炎や尿道炎など。頻尿、排尿時の痛み、尿のにごり、悪臭などが現れることがあります。

性器感染症

特に女性ではカンジダ膣炎、男性では包皮炎などが見られることがあります。かゆみ、赤み、異常なおりものなどが症状として現れることがあります。

主なForxigaの副作用②｜脱水症状

Forxigaの作用により尿量が増えることで、体内の水分量が減少し、脱水症状を引き起こすことがあります。特に以下のような症状が現れる場合は注意が必要です。

のどの渇き

Forxigaを服用すると、尿中に多くのブドウ糖が排泄されます。このため尿量が増加し、体内の水分が失われやすくなります。体内の水分が不足すると、のどが渇くことで体が水分を求めるサインを送ります。口の中が乾燥して、唾液が少なく感じることがあります。
カフェインは利尿作用があり、体からさらに水分が失われやすくなるため、脱水を悪化させる可能性があります。

疲労感

脱水症状によって体液量が減少すると、血液循環が滞りがちになり、全身の臓器や筋肉へ十分な酸素や栄養が供給されにくくなります。このため、体はエネルギー不足を感じて疲れやすくなります。
日常の活動が億劫に感じたり、長時間の集中が難しくなることがあります。また、特に運動中や運動後に筋肉が重く感じたり、疲労が抜けにくいと感じることがあります。
ビタミンやミネラルが含まれた食事を取ることで、体力の回復をサポートします。

めまい

脱水症状により体液量が減少すると、血液の循環が不安定になり、血圧が下がりやすくなります。特に立ち上がったときなどに、脳への血流が一時的に低下し、めまいが生じることがあります。
座っている状態から急に立ち上がると、ふらついたり、視界がぼやけることがあります。また、脳への血流不足により、頭が重く感じたり、視覚が一時的に暗くなることがあります。
ゆっくり体勢を変えるようにし、特に寝起きなどはゆっくりと動くようにしましょう。加えて塩分は体内での水分保持を助けるので、医師に相談したうえで、適度な塩分補給を行うことも役立つことがあります。

立ちくらみや低血圧

体液が減ることで血圧が下がり、特に立ち上がったときにふらつきが起こることがあります。

主なForxigaの副作用③｜腎機能への影響

Forxigaは、腎機能が悪化している場合には慎重に使用されるべき薬です。尿量の増加により腎臓への負担が増える可能性があるため、腎機能が低下（腎不全）するリスクがあります。腎機能の悪化は症状として自覚しにくい場合があるため、定期的な検査が重要です。

主なForxigaの副作用④｜低血糖

Forxigaはインスリンの分泌に直接影響しないため、単剤での使用では低血糖のリスクは低いです。ただし、インスリン製剤や他の経口血糖降下薬（特にスルホニル尿素薬）と併用すると、低血糖が起こる可能性があります。低血糖症状として、ふるえ、冷や汗、動悸、空腹感や集中力の低下などが見られます。
低血糖の兆候が出た場合には、糖分を摂取して対処する必要があります。

主なForxigaの副作用⑤｜ケトアシドーシス

非常にまれではありますが、SGLT2阻害薬による「ケトアシドーシス」が報告されています。通常、1型糖尿病の患者で見られる糖尿病性ケトアシドーシスに似た状態ですが、血糖値があまり高くならない場合もあるため注意が必要です。インスリン不足の状態で起こりやすく、激しい運動や絶食状態などが引き金になることがあります。
主な症状としては、症状：吐き気、嘔吐、腹痛、倦怠感、呼吸困難などが見られます。
ケトアシドーシスが疑われる場合は、直ちに医師の診察を受けてください。

主なForxigaの副作用⑥｜アレルギー反応

Forxigaに対するアレルギー反応もまれに報告されています。発疹やかゆみ、呼吸困難、顔や喉の腫れなどが起こる場合があります。アレルギー反応が出た場合はすぐに服用を中止し、医師に相談することが重要です。

Forxiga｜その他注意すべきこと

脱水・電解質異常

嘔吐・下痢・発汗などによる体液不足時はまず補正し、Forxigaは一時中止することが望ましいです。

重篤な尿路感染やFournier壊疽

まれですが報告があり、発熱や陰部痛には早急な診察が必要です。

骨折リスク・低いeGFRでの観察

骨密度低下の報告があり、特に腎機能が低下している高齢者は定期的なモニタリングが推奨されます。

Forxiga｜お薬詳細

Forxigaは糖尿病治療薬で、主成分は「ダパグリフロジン（Dapagliflozin）」というSGLT2（ナトリウム-グルコース共輸送体2）阻害薬です。主に1型および2型糖尿病の治療に用いられ、糖の再吸収を抑えて尿中に排泄させることで血糖値を下げます。また、近年では慢性心不全や慢性腎臓病に対する効果も確認され、これらの疾患にも適応が広がっています。。アストラゼネカ（AstraZeneca）によって開発され、日本でも承認されており、一般的に使用されています。

Forxigaの作用機序

この糖尿病治療薬は「SGLT2阻害薬」として働きます。SGLT2（ナトリウム-グルコース共輸送体2）は、主に腎臓（腎臓の近位尿細管）にあるタンパク質で、体が尿からブドウ糖を再吸収するのを助けています。
Forxigaは腎臓でのブドウ糖再吸収を抑え、血糖を尿から排出させることで血糖値を下げる薬です。また、尿量の増加による体液量の調整が、心不全や腎臓病にも役立つことが確認されています。

ブドウ糖の再吸収を抑える

通常、腎臓は血液からブドウ糖をろ過し、必要な分を再吸収して血液に戻し、余分なブドウ糖を尿に排出します。2型糖尿病の場合、血糖値が高いため、腎臓が多くのブドウ糖を再吸収しようとします。これが高血糖の原因の一つです。
ForxigaがSGLT2を阻害することで、腎臓がブドウ糖を再吸収するのを妨げ、ブドウ糖がそのまま尿中に排泄されるようにします。

血糖値を下げる

Forxigaによりブドウ糖が尿とともに体外に排出されるため、血液中のブドウ糖の量が減り、血糖値が下がります。このため、インスリンの分泌とは関係なく、血糖を下げることが可能です。

体液量や血圧にも影響

Forxigaによって尿の量が増えることで、体液量がわずかに減少し、血圧を下げる効果も見られることがあります。これは心不全や腎臓病の患者さんにとってもメリットとなります。