ゼニカル 120mg

ゼニカル（オルリスタット 120mg）21カプセルXenical (Orlistat 120mg) 21capsules

ゼニカル｜概要

本剤ゼニカルは、脂肪の吸収を抑える肥満治療薬です。2023年より日本の薬局で購入できるアライと同じ有効成分ですが、この有効成分（オルリスタット）の含有量が、アライは60mgであるのに対し、本剤ゼニカルは倍量の120mg含まれているため、より高い脂肪吸収抑制効果が期待できます。
また、アライは要指導医薬品ですので、購入する際には、購入前1カ月間の生活習慣記録（食事内容、運動内容、腹囲、体重）を提出し、薬剤師と確認する必要があります。

ゼニカルが向いている人

• （脂質の多い食事を好む方）ゼニカルは脂肪の吸収を抑えるため、脂っこい食事を好む方に適しています。
• （食事制限が難しい方）食事量を減らすのが難しい方でも、ゼニカルを使用することで脂肪の吸収を抑制し、体重管理をサポートします。

ゼニカルが禁忌とされる人

• （オルリスタットにアレルギーがある方）有効成分（オルリスタット）に対するアレルギーがある場合、使用は避けるべきです。
• （慢性吸収不良症候群の方）栄養素の吸収障害がある場合、ゼニカルの使用は適していません。
• （胆汁うっ滞の方）胆汁の流れが滞る疾患がある場合、使用は禁忌とされています。
• （妊娠中または授乳中の方）胎児や乳児への影響が不明なため、使用は避けるべきです。
• （小児）安全性が確立されていないため、子供への使用は推奨されません。

ゼニカルの服用に注意が必要な人

ゼニカルの使用を検討する際は、下記の点を踏まえ、医師と十分に相談することが重要です。

• （他の薬を服用中の方）特に以下の薬を使用している場合、ゼニカルとの併用に注意が必要です
  • シクロスポリン：免疫抑制剤で、併用により効果が減少する可能性があります。
  • レボチロキシン：甲状腺ホルモン薬で、併用により甲状腺機能低下症を引き起こす可能性があります。
  • ワルファリンなどの抗凝固薬：ビタミンKの吸収阻害により、出血リスクが増加する可能性があります。
  • 抗てんかん薬：併用により発作のリスクが高まる可能性があります。
  • 抗レトロウイルス薬（HIV治療薬）：併用によりウイルス量が増加する可能性があります。
• （ビタミン不足のリスクがある方）ゼニカルは脂溶性ビタミン（A、D、E、K）の吸収を阻害するため、これらのビタミンが不足する可能性があります。必要に応じてサプリメントの摂取を検討してください。

ゼニカル｜服用方法

• 服用タイミングは、食事中または食後1時間以内に1カプセル（120mg）を水と共に服用します。​これは、ゼニカルが食事中の脂肪に直接作用するためです。
• 1日の服用回数は、1日最大3回まで服用可能です。通常、朝・昼・晩の食事ごとに1カプセルずつ服用します。
• 食事内容による服用の調整は、脂肪分を含まない食事の場合、ゼニカルの服用は必要ありません。​脂肪分が少ない食事では、服用を避けるか、医師の指示に従ってください。
• 飲み忘れた場合は、食後1時間以内であれば、気づいた時点で1カプセルを服用してください。
  1時間以上経過した場合は、その回の服用をスキップし、次回の食事時に通常通り服用します。
  前回の飲み忘れ分をまとめて服用することは避けてください。
• ゼニカルは長期的な服用が可能ですが、1年以上の継続使用では効果が減少する可能性があります。服用期間については、担当医師と相談してください。

ゼニカル｜副作用

ゼニカルの副作用として報告されているものには、以下のようなものがあります。脂肪分の多い食事を摂取すると、副作用のリスクが高まる可能性があります。​服用中にこれらの症状が現れた場合は、医師に相談することが重要です。

• 未消化の脂肪が便に混ざり、オレンジ色または茶色の油状の排泄物が出ることがあります。
• ​腸内にガスが溜まりやすくなり、おならや排便回数が増えることがあります。ガスとともに油状の分泌物が出て、下着に油が付着します。
• 軟便になることがあります。
• ​脂溶性ビタミンの不足により、肌の乾燥や肌荒れが生じることがあります。
• 腹痛や吐き気も報告されています。
• ビタミンA、D、E、Kの吸収が阻害され、不足する可能性があります。

これらの副作用はゼニカルの効果が現れている兆候とされ、服用を続けることで軽減する可能性がありますが、副作用が重篤または持続する場合は医師に相談することが重要です。

ただし、以下の症状が現れた場合はゼニカルの服用を中止し、直ちに医師に連絡する必要があります。

• 重度の腹痛
• 激しい腰痛
• 血尿
• 排尿困難
• 排尿時の痛み
• 腎臓障害（排尿がほとんどまたは全くない、足や足首の腫れ、過度の疲労、呼吸困難）
• 肝臓障害（吐き気、上腹部の痛み、かゆみ、疲労感、食欲不振、濃い尿、粘土色の便、黄疸）

ゼニカル｜その他注意事項

ゼニカルの服用にあたっては、以下の点にご注意ください。

• 高脂肪食を避けること。
  脂肪によるカロリーが食事全体の総カロリーの30％を超えると、胃腸に不快な副作用が起きる可能性が高まります。
• シクロスポリンを服用する場合は、ゼニカルの摂取の少なくとも3時間前、または摂取後に服用すること。
• レボチロキシンを服用する場合は、ゼニカルの摂取の少なくとも4時間前、または摂取後4時間後に服用すること。
• アミオダロン、インスリン、経口糖尿病薬、HIVまたはエイズ治療薬、ベータカロチンやビタミンEを含むビタミン剤、ワルファリンを服用している場合は、医師に相談すること。
• ゼニカルは脂溶性ビタミン（ビタミンA、D、E、Kなど）の吸収を妨げる可能性があるため、マルチビタミンを一緒に摂取することが推奨されます。ビタミン補給はゼニカル服用後2時間以上経ってから行うのが望ましいです。
• 妊娠中または授乳中の方は、ゼニカルの使用前に必ず医師に相談すること。
• 肝臓または腎臓に問題がある方は、ゼニカルの使用前に医師に相談すること。

ゼニカル｜お薬詳細

本来はゼニカル（Xenical）は肥満や糖尿病、高血圧などの生活習慣病の肥満治療薬として開発されたものの、その効果が広く認知され、ダイエット薬としても利用されるようになりました。
ゼニカルは、肥満治療薬として広く使用されるお薬で、主に脂肪吸収を抑制する作用を持っています。

ゼニカルの製造元

ゼニカルは、スイスに本社を置く大手製薬会社ロシュ（Roche）によって製造されています。ロシュは、バイオ医薬品や診断製品の開発で知られるグローバルな製薬企業であり、特に癌治療薬や抗ウイルス薬の分野で大きな影響力を持っています。ゼニカルは、ロシュによる肥満治療薬の一つとして開発されました。

ゼニカルの承認状況

ゼニカルは、1999年にアメリカ食品医薬品局（FDA）によって承認され、世界各国で販売が開始されました。ですが日本では、ゼニカルは承認されておらず保険適用外となります。一部の医療機関で取り扱われていますが、未承認薬ですので海外からの輸入となり、Meds Thaiで取り扱っているゼニカルと同じものになります。

ゼニカルの有効成分

日本で2023年2月17日に厚生労働省から製造・販売の承認を取得し、2024年4月8日に全国販売が開始された「アライ」と同じ有効成分「オルリスタット（Orlistat）」を含む肥満治療薬です。

ゼニカルとアライの違い

日本の薬局などで処方箋なしで購入できるようになったアライですが、要指導医薬品ですので、少なくともひと月前から体重や胸囲、生活習慣（食事や運動など）の記録を薬剤師に提示する必要があり、すぐに購入できるお薬ではありません。
また本剤ゼニカルは1カプセルあたり120mgのオルリスタットを含んでいますが、アライはオルリスタットは1カプセルあたり本剤の半分の60mgとなります。

ゼニカルの作用機序

ゼニカルの主成分はオルリスタットと呼ばれる成分で、リパーゼ阻害剤に分類される薬です。
ゼニカルは食事に含まれる脂肪の体内への吸収を抑制します。通常、食事で摂取した脂肪はリパーゼという酵素によって分解され、吸収されますが、ゼニカルを摂取することでこの酵素の働きが阻害され、摂取した脂肪の約30%が消化されずに排出されます。この作用により、体は過剰なカロリーを脂肪として蓄積することを防ぎ、体重減少を促進します。

私たちの体が脂肪を吸収するためには、食事に含まれる脂肪をより小さな成分に分解する必要があります。ゼニカルは、その分解に必要な酵素を阻害することで、分解されなかった脂肪が腸から吸収されず、便とともに体外に排出されるように働きます。ゼニカルを服用することで、食事に含まれる脂肪分の約30%が吸収されずに排出されます。

ゼニカルの効果

ゼニカルの主な効果は、食事から摂取された脂肪の吸収を抑制することによる体重減少です。臨床試験では、ゼニカルを使用した被験者は、プラセボを使用した被験者よりも約5%から10%多く体重が減少することが示されています。
また、ゼニカルは、血中のLDLコレステロール値の低下や血糖値の改善にも寄与することが報告されています。特にBMIが30以上の成人の治療に適しています。
BMIは、身長と体重の比率から計算される指標で、25以上だと過体重、30以上だと肥満とされます。

高血圧、糖尿病、または高コレステロール血症など、肥満に関連する健康リスクがある人に対してもゼニカルは有効です。
また、ダイエットや運動を続けても体重減少が難しいと感じている場合、ゼニカルを使用することでさらなる効果が得られることがあります。

ゼニカルを服用することで、脂肪を多く含む食事を好む方は、その脂肪による体重増加を防ぐ効果が期待できます。ただし、ゼニカルの効果を実感するまでには個人差があり、2～3週間程度かかることがあります。また、ゼニカルは食事と一緒に服用することで、摂取した脂肪の吸収を抑制します。

ゼニカルの効果を最大限に引き出すためには、低脂肪でバランスの取れた食事や適度な運動と組み合わせることが重要です。
特に心臓病や糖尿病などのリスクがある場合には、体重減少が健康に寄与する可能性があります。

ゼニカルは高血圧や高コレステロール、高血糖といった肥満に関連するリスク因子の改善にも寄与します。これらのリスク因子を放置すると、心臓病や糖尿病などの病気に進展する可能性があるため、ゼニカルの服用は予防にも役立ちます。

ただし、以下のような場合はゼニカルを服用しても効果が実感できないことがあります。

• 元々食事での脂質摂取が少なく、効果が薄い
• ゼニカルの服用方法を間違えている
• 効果が出る前にゼニカルの服用をやめてしまう
• ゼニカルを服用するだけで満足してしまう

またゼニカルは脂肪分のみの吸収を阻害する薬であり、糖質や脂肪を含まない食品からのカロリー吸収は抑制しません。したがって、ゼニカルを服用する際には、食事の総カロリーの摂取量を管理することが重要です。

ただし、ゼニカルを使用する際には、薬剤師や医師に相談することが重要です。正しい用法や服用タイミングを守ることで、より効果的に体重管理に役立てることができます。ゼニカルを服用することで、健康的な体重の維持やリスク因子の改善に向けて一歩近づくことができるでしょう。

最終的に、ゼニカルはあくまで補助的な手段であり、食事や運動の改善が重要な要素です。自身の健康状態や目標に合わせて適切に利用し、専門家のサポートを受けながら、健康的な生活を目指しましょう。