Fascar（クラリスロマイシン）

Fascar（クラリスロマイシン 500 mg）20錠Fascar (Clarithromycin 500 mg) 20 Tablets

クラリスロマイシン｜よくある質問（FAQ）

クラリスロマイシン｜服用方法

クラリスロマイシン｜用法・用量

クラリスロマイシンの用法・用量は、治療する感染症の種類や患者の年齢、体重、腎機能などによって異なります。具体的な指示は医師の指導に従ってください。

一般的な細菌感染症

クラリスロマイシン 250 mg（本剤半錠）を12時間ごとに服用。

重症感染症や特定の感染症（例：マイコプラズマ肺炎、レジオネラ肺炎など）

クラリスロマイシン 500 mg（本剤1錠）を12時間ごとに服用。

胃潰瘍および十二指腸潰瘍の治療（ピロリ菌の除菌）

クラリスロマイシン 500 mg（本剤1錠）を12時間ごとに服用し、他の薬剤（例：アモキシシリン、プロトンポンプ阻害薬）と併用する。

腎機能障害を持つ患者

クレアチニンクリアランス30 mL/min以下の患者は、通常用量の半分、クラリスロマイシン 250 mg（本剤半錠）を24時間ごと、またはクラリスロマイシン 500 mg（本剤1錠）を24時間ごと）に減量することが推奨されます。

クラリスロマイシン｜投与期間

• 通常の感染症は7～14日間。
• 特定の感染症（マイコプラズマ肺炎、レジオネラ肺炎など）は、医師の指示に従い、より長期間の治療が必要になることがあります。

クラリスロマイシン｜注意事項

• クラリスロマイシンは食事の有無にかかわらず服用できます。
• 処方された全量を最後まで服用することが重要です。途中で症状が改善しても、自己判断で服用を中止しないようにしてください。
• 他の薬剤との相互作用があるため、他の薬剤を服用している場合は必ず医師に報告してください。

クラリスロマイシン｜副作用

クラリスロマイシンは副作用は少ないほうですが、主な副作用として以下の症状が報告されてます。

• （消化器系）吐き気、嘔吐、下痢、腹痛、食欲不振
• （肝臓）肝機能障害、黄疸、肝炎
• （皮膚）発疹、かゆみ、蕁麻疹
• （中枢神経系）頭痛、めまい、不眠、神経過敏
• （心臓）QT延長、不整脈
• （その他）味覚異常、聴覚障害、関節痛、アレルギー反応（アナフィラキシーなど）

＊重度の場合は服用をやめ、直ちに医師の診察を受けること。

Fascar（クラリスロマイシン）｜お薬詳細

クラリスロマイシンの用途・適応症

本剤Fascarの有効成分であるクラリスロマイシンは、マクロライド系抗生物質の一種で、細菌の増殖を抑えることで作用し、様々な細菌感染症の治療に使用されます。また、胃潰瘍の治療においては、抗潰瘍薬と併用されることがあります。クラリスロマイシンは細菌感染症にのみ効果があり、ウイルス感染症には効果がありません。

さらに、クラリスロマイシンには組織の障害を防ぎ、過剰な粘液分泌を抑える作用があることから、少量を長期間使用することで、慢性副鼻腔炎、滲出性中耳炎、びまん性汎細気管支炎などの慢性炎症性疾患にも有効であることがわかっています。

クラリスロマイシンは、グラム陽性菌（黄色ブドウ球菌、肺炎球菌など）、一部のグラム陰性菌（インフルエンザ菌、ピロリ菌、百日咳菌など）、嫌気性菌、一般的な抗生物質が効かない非定型菌（マイコプラズマ、クラミジア、マイコバクテリウムなど）に有効です。また、皮膚や軟部組織（筋肉、腱、靭帯など）、呼吸器系（気管支炎、肺炎など）、上下気道感染症（咽頭炎、扁桃炎、急性中耳炎など）、およびヘリコバクター・ピロリ感染症にも使用されます。

クラリスロマイシンが有効な主な疾病

クラリスロマイシンが有効な主な疾病は以下の通りです。

• （呼吸器感染症）咽頭・喉頭炎、扁桃炎、急性気管支炎、肺炎、肺膿瘍、慢性呼吸器病変の二次感染
• （皮膚・軟部組織感染症）表在性皮膚感染症、深在性皮膚感染症、リンパ管・リンパ節炎、慢性膿皮症、外傷・熱傷および手術創等の二次感染、肛門周囲膿瘍
• ヘリコバクター・ピロリ感染症（ピロリ菌感染症）
• （尿路・生殖器感染症）尿道炎、子宮頸管炎
• 感染性腸炎
• 中耳炎
• 副鼻腔炎
• （歯科感染症）歯周組織炎、歯冠周囲炎、顎炎
• マイコプラズマ感染症
• クラミジア感染症
• 百日咳
• 非定型抗酸菌症（マイコバクテリウム感染症）

マクロライド系の特徴

クラリスロマイシンをはじめとするマクロライド系の一番の特徴は、一般的な抗生物質が効かないマイコプラズマやクラミジアに有効であることです。子供のマイコプラズマ肺炎にはよくこのクラリスロマイシンが使用されます。

この抗生物質は胃酸の影響を受けにくいため、高い血中濃度が得られます。 またクラリスロマイシンは、主に肝臓で代謝され、尿中への排泄が良好であり、腎機能が正常な患者においては効果的な抗生物質です。しかし、重度の腎障害がある場合、薬剤の蓄積が起こる可能性があるため、投与量の調整が必要です。
肺炎球菌やインフルエンザ菌への作用はペニシリン系やセフェム系抗生物質に比べるとやや劣る場合があります。また、クラリスロマイシンに対する耐性菌が増えていることも課題です。

クラリスロマイシンはアレルギーを起こしにくく、ペニシリン系やセフェム系の抗生物質にアレルギーのある人にも注意して使用できます。

クラリスロマイシンの作用機序

クラリスロマイシンは、細菌のリボソーム（70Sリボゾームの構成物質50S）に結合します。リボソームはタンパク質合成を行う細胞の構造であり、50Sサブユニットはペプチド結合の形成を助ける部分です。
クラリスロマイシンがリボソームに結合することで、リボソームの機能が阻害されます。ペプチド転移酵素の活性が抑制されるため、アミノ酸がペプチド鎖に追加される過程が妨げられます。
クラリスロマイシンによりタンパク質合成が阻害されると、細菌は必要なタンパク質を生成できなくなり、その結果、細菌の成長と増殖が停止します。これは静菌作用と呼ばれ、細菌の増殖を抑える効果があります。