レボフロキサシン（Lefloxin）

Lefloxin（レボフロキサシン 500mg）10錠Lefloxin (Levofloxacin 500mg) 10tabs

レボフロキサシン（Lefloxin）｜概要

レボフロキサシン（Lefloxin）は、細菌による感染症の治療に使われる抗生物質で、肺炎や膀胱炎などに効果があります。
日本では一般に「クラビット」という商品名で知られている薬と同じ有効成分です。タイのSiam Pharmaceutical社が製造しています。

レボフロキサシン（Lefloxin）が向いている人

レボフロキサシンは、細菌による感染症に対して効果があり、以下のような症状のある人に使われます。

• （呼吸器の感染）肺炎、気管支炎、副鼻腔炎、咽頭炎など
• （尿路感染症）膀胱炎、腎盂腎炎、前立腺炎など
• （消化器の感染）細菌性腸炎、下痢など
• （皮膚・軟部組織の感染）化膿した傷、膿瘍など
• （耳や鼻の感染）中耳炎、副鼻腔炎など
• （歯や口の感染）歯周病、親知らず周辺の感染（智歯周囲炎）など
• （その他の細菌感染）医師の判断によりレボフロキサシンが適応される症例

レボフロキサシン（Lefloxin）の服用に注意が必要な人

次のような方は、レボフロキサシンの服用に注意が必要です。医師に相談しながら使用する必要があります。

• （高齢者）副作用が出やすく、腎機能の低下によって薬が体に残りやすい
• （腎臓の病気がある人）薬が排出されにくくなるため、用量調整が必要
• （てんかんやけいれんの持病がある人）発作が起こる可能性があるため慎重に使用
• （QT延長などの心疾患がある人）心臓のリズムに影響を与えるおそれがある
• （妊娠中・授乳中の女性）胎児や乳児への影響が懸念されるため原則として避ける
• （光過敏症のある人）薬の影響で紫外線に敏感になることがある

レボフロキサシン（Lefloxin）が禁忌とされる人

以下のような方は、レボフロキサシンを使用してはいけません（禁忌）。

• （過去にアレルギー反応が出た人）レボフロキサシンや他のキノロン系抗菌薬で重い過敏症を起こしたことがある場合
• （18歳未満の小児・成長期の子ども）関節や軟骨への影響が懸念される
• （妊娠中の女性）胎児への安全性が確立していないため原則禁忌
• （授乳中の女性）母乳を通して薬が乳児に移行するため授乳の中止が必要

レボフロキサシン（Lefloxin）｜服用方法

• （通常の服用量）成人は1日1回、1錠（500mg）を経口で服用します。
• （服用のタイミング）食前・食後に関係なく服用できますが、胃への刺激が気になる場合は食後の服用がおすすめです。
• （服用期間）感染症の種類や症状により異なりますが、一般的には5～14日間の服用が推奨されます。

レボフロキサシン（Lefloxin）｜注意事項

• 腎機能が低下している方は、薬が体内に長く残る可能性があるため、投与量や投与間隔の調整が必要です。医師の指示に従ってください。
• 妊娠中や授乳中の方は、胎児や乳児への影響が懸念されるため、原則として使用を避けることが推奨されます。医師に相談してください。
• 以下の薬やサプリメント（例：アルミニウムやマグネシウムを含む胃薬、鉄剤、カルシウムや亜鉛を含むサプリメントなど）と一緒に服用すると、レボフロキサシンの吸収が妨げられる可能性があります。服用の間隔を2時間以上空けるようにしてください。
• 服用中は、皮膚が日光や紫外線に敏感になることがあります。外出時は日焼け止めを使用するなど、紫外線対策を行ってください。
• 飲み忘れに気づいたら、できるだけ早く1回分を服用してください。ただし、次の服用時間が近い場合は、1回分をスキップし、絶対に2回分を一度に服用しないでください。

レボフロキサシン（Lefloxin）｜副作用

レボフロキサシン（Lefloxin）は、細菌感染症の治療に用いられる抗菌薬ですが、他の薬と同様に副作用が報告されています。

レボフロキサシンの比較的よく見られる一般的な副作用

これらの副作用は比較的軽度で、一時的なものが多いですが、症状が続く場合は医師に相談してください。

• （消化器症状）吐き気、嘔吐、下痢、腹部の不快感、食欲不振、消化不良など
• （神経系症状）めまい、頭痛、不眠、眠気
• （皮膚症状）発疹、かゆみ、蕁麻疹、光線過敏症（紫外線による皮膚の反応）
• （肝機能異常）ALT（GPT）やAST（GOT）などの肝酵素の上昇
• （血液検査の異常）白血球数の減少、好酸球数の増加、血小板数の減少など

レボフロキサシンのまれだが注意が必要な重篤な副作用

これらの副作用はまれですが、発症した場合は重篤な症状を引き起こす可能性があります。服用中に異常を感じた場合は、、すぐに服用を中止し、医師の診察を受けてください。

• （アナフィラキシーショック）全身のかゆみ、じんま疹、喉のかゆみ、ふらつき、動悸、息苦しさなど
• （中毒性表皮壊死融解症（TEN）やスティーブンス・ジョンソン症候群）発熱、皮膚の広範囲な赤みや水ぶくれ、粘膜のただれなど
• （痙攣）筋肉のけいれん、意識の低下など
• （QT延長や心室頻拍）めまい、動悸、胸の不快感、失神など
• （急性腎障害や間質性腎炎）尿量の減少、むくみ、だるさ、発熱、発疹など
• （劇症肝炎や肝機能障害、黄疸）急な意識の低下、皮膚や白目の黄変、かゆみ、尿の色の変化など
• （血液障害）発熱、喉の痛み、倦怠感、出血傾向（鼻血、歯ぐきの出血、皮下出血など）
• （間質性肺炎や好酸球性肺炎）咳、息切れ、呼吸困難、発熱など
• （偽膜性大腸炎）腹痛、頻回の下痢、血便など
• （横紋筋融解症）筋肉痛、脱力感、赤褐色の尿など
• （低血糖）発汗、動悸、脱力感、意識の混濁など（特に糖尿病患者や高齢者で注意）
• （腱障害（アキレス腱炎、腱断裂など））腱周辺の痛み、腫れ、発赤など（特に高齢者やステロイド薬を使用している方で注意）
• （精神症状）錯乱、せん妄、抑うつなど
• （過敏性血管炎）発熱、関節痛、紫斑など
• （重症筋無力症の悪化）筋力の低下、疲労感など
• （大動脈瘤や大動脈解離）胸や背中の痛み、息苦しさ、声のかすれなど
• （末梢神経障害）手足のしびれ、筋力低下、痛みなど

レボフロキサシン（Lefloxin）｜お薬詳細

レボフロキサシン（Lefloxin）は、ニューキノロン系に分類される合成抗菌薬で、細菌のDNA複製を阻害することで殺菌作用を示します。

作用機序の概要

レボフロキサシンは、細菌のDNA複製に必要な2つの酵素、DNAジャイレースとトポイソメラーゼIVを阻害します。これらの酵素は、細菌が自身のDNAを複製し、増殖するために不可欠です。

• （DNAジャイレース）DNAのねじれ（スーパーコイル）を調整し、複製や転写を可能にします。
• （トポイソメラーゼIV）複製後のDNA鎖を解きほぐし、分離させる役割を担います。

レボフロキサシンがこれらの酵素を阻害することで、DNAの複製や修復ができなくなり、細菌は増殖できずに死滅します。

詳細な作用機序

DNAジャイレースの阻害

• DNAジャイレースは、DNAの二重らせん構造を解くために必要な酵素です。
• レボフロキサシンがこの酵素を阻害すると、DNAのねじれが解消されず、複製や転写が進行できなくなります。

トポイソメラーゼIVの阻害

• トポイソメラーゼIVは、複製後に絡み合ったDNA鎖を分離する酵素です。
• この酵素が阻害されると、DNA鎖が解きほぐされず、細胞分裂が妨げられます。

これらの酵素の阻害により、細菌のDNA複製が停止し、結果として細菌は死滅します。

レボフロキサシンの特徴

• （高い抗菌活性）レボフロキサシンは、オフロキサシンのS体であり、DNAジャイレースおよびトポイソメラーゼIVに対する阻害活性がオフロキサシンの約2倍とされています。
• （広範な抗菌スペクトル）グラム陽性菌、グラム陰性菌、嫌気性菌など、幅広い細菌に対して効果があります。
• （殺菌的作用）細菌の増殖を抑えるだけでなく、直接的に細菌を死滅させる作用があります。