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ロスバスタチン(Rovas)10mg 30錠Rosuvastatin (Rovas) 10mg 30tabs
ロスバスタチン(ROVAS)|よくあるお問合せ(FAQ)
Q1. ロスバスタチン(ROVAS)はどんな薬ですか?
スタチン系の脂質異常症治療薬(HMG-CoA還元酵素阻害薬)です。肝臓でのコレステロール合成を抑制し、LDL(悪玉)コレステロールを低下させます。
Q2. 何に使われますか?
高コレステロール血症(脂質異常症)の改善、および心血管イベントのリスク低減の目的で用いられます。使用の可否や用量は医師が決定します。
Q3. 服用のタイミングに決まりはありますか?食事の影響は?
1日1回、食事の影響を受けにくいため食前・食後のいずれでも服用できます。毎日同じ時刻に継続するのが推奨されます。
Q4. 錠剤を割って服用しても良いですか?
いいえ。ROVASはフィルムコーティング錠のため、割ったり砕いたりせずにそのまま服用してください。低用量が必要な場合は、用量の小さい規格を用います。
Q5. どのくらいで効果があらわれますか?
LDLコレステロールの低下は通常1〜2週間で見え始め、約4週間で効果が安定します。医師の指示に従い定期的に血液検査で評価します。
Q6. 主な副作用と受診の目安は?
頭痛、腹部不快、肝機能検査値の上昇などが報告されています。筋肉痛・脱力・こむら返りなど筋症状が強い、全身のだるさや褐色尿がある場合は服用を中止せずに速やかに医師へ相談してください(まれに横紋筋融解症などの重い副作用)。
Q7. 併用に注意が必要な薬はありますか?
シクロスポリンや一部のHIV治療薬などと併用すると血中濃度が上昇することがあります。ワルファリン服用中はINRの管理が必要です。自己判断での併用は避け、必ず現在の服用薬を医師・薬剤師へ伝えてください。
Q8. グレープフルーツやアルコールとの関係は?
ロスバスタチンはグレープフルーツによる影響が比較的少ない薬です。一方、過度の飲酒は肝障害のリスクを高めるため避けてください。
Q9. 妊娠・授乳中は使用できますか?
妊娠中および授乳中は使用できません。妊娠を希望する場合や妊娠が判明した場合は、速やかに医師へ連絡してください。
Q10. 腎機能が低下している場合はどうなりますか?
重度の腎機能低下がある方では用量調作り出す薬です。整が必要になることがあります。必ず医師の指示に従ってください。
ロスバスタチン|概要
ロスバスタチンは、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を下げる薬です。
肝臓でコレステロールを作る働きを抑えることにより、心筋梗塞・脳梗塞などの動脈硬化性疾患を防ぐことを目的としています。
コレステロールは「食事でとる分」と「体の中で作る分」がありますが、そのうち約7~8割は体の中(主に肝臓)で作られています。
ロスバスタチンはその「作る部分」に働くため、毎日一定の時間に服用することが重要です。
ロスバスタチンが向いている人
ロスバスタチンの服用に注意が必要な人
次のような方は副作用(特に筋肉・肝臓)リスクが相対的に高くなるため、低用量開始や採血チェックが推奨されます。
HIVや肝炎ウイルスの治療薬の一部(プロテアーゼ阻害薬など)を使用している場合も、ロスバスタチンの血中濃度が上がるおそれがあります。この場合は、少ない量から慎重に投与する必要があります。
フィブラート系の薬(フェノフィブラートなど)や大量のニコチン酸を使用している方では、筋肉への副作用(筋肉痛や筋障害)のリスクが高くなります。可能であればこれらの薬との併用は避けるのが望ましく、どうしても併用する必要がある場合には、医師のもとで厳重に経過を観察します。
ワルファリンを服用している方がロスバスタチンを併用すると、ワルファリンの作用が強まったり弱まったりすることがあります。そのため、併用する際には血液の固まりにくさを示す指標であるPT-INRを追加でチェックし、必要に応じて用量を調整します。
エゼチミブとの併用では、LDLコレステロールを下げる効果がさらに強くなりますが、その一方で肝機能に関係する酵素(ASTやALT)が上昇する頻度がやや高くなることがあります。そのため、併用を開始したり用量を増やす際には、定期的に肝機能検査を行うことが推奨されます。
ロスバスタチンが禁忌とされる人
以下に当てはまる場合はロスバスタチンの服用は避けてください。
「透析中の高度腎機能低下」「進行性の重い筋疾患」などは、実質的に強い禁忌相当として扱い、どうしても必要な場合でも専門医が厳重管理下で検討します。
ロスバスタチン|服用方法
<服用のタイミング>
<服用量(一般的な目安)>
<食事との関係>
<服用の継続について>
ロスバスタチンは一度飲んですぐに効果が出る薬ではありません。通常、数週間~1か月ほどでLDLコレステロールが下がり始め、2〜3か月で安定した効果が現れます。
したがって、症状がなくても毎日続けることが非常に重要です。コレステロール値が下がったあともやめると、再び上がってしまいます。
<飲み忘れたとき>
ロスバスタチン|副作用
ロスバスタチンは、HMG-CoA還元酵素阻害薬(スタチン系薬)に分類され、LDLコレステロールを強力に低下させ、動脈硬化の進行を抑える効果があります。一方で、用量や体質、併用薬などの影響により、まれに副作用がみられることがあります。以下は主な副作用と、その臨床的特徴です。
比較的よくみられる副作用
注意が必要な副作用
発現頻度は低いものの、放置すると重症化するおそれがある副作用として以下が知られています。
重大な副作用(発現頻度は稀)
極めてまれですが、重篤な副作用が報告されています。これらが疑われる場合は、速やかに医療機関での評価が必要です。
副作用が起こりやすくなる要因
以下の条件では副作用の発現リスクが高まることがあります。
ロスバスタチン|その他注意事項
ロスバスタチン|作用機序
ロスバスタチンはどこに効く薬か?
標的は肝臓の中にある酵素HMG-CoA還元酵素です。この酵素は「メバロン酸経路」というコレステロール合成ルートの要で、いわば工場のボトルネック工程です。
ロスバスタチンはこの酵素に競合的に結合して働きを弱める(阻害する)ため、肝細胞内で作られるコレステロールが減少します。
ロスバスタチンの一次作用(直接の効果)
コレステロール合成の抑制:HMG-CoA還元酵素が阻害され、メバロン酸の産生が低下し、結果として肝細胞内コレステロールが減ります。
ロスバスタチンの二次作用(一次作用に続く生体の適応)
ロスバスタチンは「作る量を減らす」だけでなく、その結果として回収装置(LDL受容体)を増やして血中の悪玉を片付けるところが大きな効き目です。
ロスバスタチンの補助的(プレイオトロピック)作用とその位置づけ
メバロン酸経路が抑えられると、イソプレノイド(ファルネシル化・ゲラニルゲラニル化に使う分子)も減少します。これによりRho/Racなどの小型GTP結合タンパクの翻訳後修飾(プレニル化)が変化し、次のような効果が示されてきました。
ロスバスタチンならではの特徴